秋と言えば、豊饒の季節。山や里には大地の実りが満ち、川や海には脂の乗った魚が舞い戻り。やがて来たるだろ冬への蓄えにと、人々が収穫に勤しむ頃合いだけれど、
「夏の暑さも関係しておりましょうか。」
「まま、多少はそれも影響しちゃあおろうがの。」
今年の夏がたいそうな酷暑だったその余波か。作物の中には、種によってあまり出来が善ろしくないものもあり。また、そんな影響のせいだろか、餌となる木の実が足らぬらしくて、猪や熊が里の近くまで頻繁に出没。頼もしい男手のある土地ならば、それもまた恵みの一つとして狩ってしまうそうだが、そうも行かない土地では、畑を荒らされるわ、怪我人も出かねぬわと、災禍でしかない運び。
―― とは言っても、
自然の巡りならば、それもまた天恵
小袖に重ねた単衣は蘇芳。草色の衵(あこめ)を重ね、袖に“つゆ”と呼ぶ紐を提げ、隠し織りの紋が散る狩衣は白。
「天恵、ですか?」
袴には足首で絞る指貫をはいて。仰々しいながらもすたすたと歩べるいで立ち、すっかりとその身へまとったは。秋の豊饒、稲穂の結実色にも勝る金の髪を戴く、金眸痩躯の陰陽術師。書生で見習いの少年が、小首を傾げて問うたのへ、衿元に白い両の手を入れ、しゅっと引き降ろす所作にて整えながら、
「悪あがきをして取り繕ったところで、
どっかでまた別の奇禍が巡り来るだけだからな。」
京の都の平安を護す職、神祗官補佐でありながら、だがだが その言動は、時に苛烈、時に放埒。真理ではあれ、場によっては…面目玉を潰す人もあろうかと、口にするのが少々憚られるような言でさえ、畏れもなくの言い放ち。そうかと思や、方違えの儀だの、卜占のお告げだの、専門職ならではな方便積み上げ。何なら力づくまで繰り出して、どんな無理でも通してしまう唐紙やぶりでもあり。その官位は今帝に直々戴いたものじゃああるけれど、それへは一切頼らずの、自力による無手勝流を弄して講じて。権門からの金に飽かせた嫌がらせへも、堂々と立ちはだかっての、見事 粉砕し果せた例は数知れず。そんなもんなぞ数にもあたわず、本物の邪妖相手の死闘さえ、枚挙の暇が無いほどにくぐり抜けて来た強わものなれば、
「自然の巡りでないのなら、話は別となる訳だがの。」
咒符の束に封印の宝珠、破魔の矢に護りの小太刀などなどを、錦の袋へ浚い込み、口を絞った緒を輪にして肩から提げると支度は完了。ぴんと張った背条を伸ばし、そろそろ陽も落ちようかという頃合いの、茜の気配のする空を広間の濡れ縁から仰いでから、
「お前は くうと留守番だ。」
「あ、はははい。」
よしかと にたり、強気に笑ったお顔からは、いつもの余裕しか感じられなかったけれど。
“人の念が関わってる咒が相手、ですのにね。”
自然の巡りが相手なら、恐らく師匠は…蛭魔は関わらない。たとえ、大きな被害が出ていても、猪狩りなら専門家がおろうよと、こたびの依頼のような、動物が暴走しているという種の騒ぎには関心さえ示さない。そんな彼が、なのにわざわざ出張るというからには、動物が対象でも、実は単純な運びじゃあなかろというのが忍ばれて。
「いってらっしゃいませ。」
「…まちぇ。」
小さな仔ギツネさんも何かしらを嗅ぎとったか。セナの背中にくっつき虫したまま、それでも神妙なお声で、大好きなおやかま様をお見送り。そんな二人に見送られ、大層だのと苦笑をしつつ、足早に出掛けて行かれた。当代きっての辣腕誇る、陰陽術師の青年だった。
◇◇
山科の山麓、街道沿いの里からは、遠いよな近いよな微妙な距離にある草深い竹林にて。先日来から“人が消える”との噂が立ち始めて。最初は年寄りが、それから芝拾いの里人が、いつまで経っても帰らないと騒ぎになった。キツネにでも騙されたか、はたまた鷲にでも攫われたかと、迷子か神隠しのように言われていたものが。神への障りなら素人がいじっちゃあなんねぇと、誰が連れて来たやら神職が祈祷を捧げたところが。その神主が行方知れずになってしまって、さあこれは本物だという騒ぎに増幅。
『それと前後して、
牛ほどもあろうかという、大猪が徘徊しているとの証言もありましたので。
では、その猪が神の化身なのではないかと。』
猪といやあ…というほど、捕まえの食べのする習慣が根付いた土地ではありませんが、まるきり縁がないでもなし。これまでの罪科が祟ったんじゃあないかと、里では皆して震え上がっております次第。どうかどうか、徳の高い祈祷師様か、行者様をお寄越し下さいませと、そんな嘆願が、どうにかこうにか京の都へも届きはしたが、
“…ま、下々のことへまで親身になってやるような役人は、
現地ならばいざ知らず、都にはまず居ねぇわな。”
微妙に京に近かったことが、こたびは却って仇になったようなもの。国司・受領とは名ばかりで、実権のあるは別の御方と。自分で言い立てたほど弱腰の官吏ばかりな土地柄であったため。名主らが頼ったのもまた、そんな彼らより上級の、京に住まう公家らだったのだけれども。権勢のあるお人や、兵を束ねる名士は確かに多いが、あまりに高みに居過ぎた反動、自分への損得に関わることが降っては来ぬかと、上を見ることしか知らない馬鹿ぞろいであるがため。自分への直接的な被害でないことへ、何でわざわざ立ってくれようか。
“それも、たかだか猪騒ぎ。
取っ捕まえて皆で食ろうてしまえとか、何なら献上するがよいとか。
そこまで言うた うつけまで、おったというからの。”
ある意味、五条も安泰かねぇと。その胸のうちにて呟いた術師が辿り着いたは、茅だのススキだの、雑多な芒種の長い葉の群れが、冷たい風に吹かれちゃあたなびく、寂れた枯れ野のただ中で。従者も連れて来なんだは、相手がそちらを狙う格好で足手まといになるからで。ただの獣ならばいざ知らず、
「風旡の鉾よ、我の楯磨きて、諸者の影をば写したまえ。」
さわさわと、夕刻の風にざわめき揺れるススキの葉群。そんな狭間に立つ蛭魔の姿は、痩躯であることとそれから、それなりの結界も張っているせいか、茜の空、つーいと飛び交うトンボでさえ、人とは気づかずに止まりそうになったほどだのに。咒の文言さえ、風の音に紛れてしまい、大地の気脈とそれをつかさどる精霊以外、誰の耳へも届かぬそれだったのに。
―― うぉおおぉぉぅぅおおんんんんっっ
遠吠えのような、地響きのような。風の唸りのような、岩盤の軋みのような。そんな、遠く近い不可思議な声が轟いて。枯れ野に広くそそいでいた、まだ少しは明るさ保っていたはずの西陽が、突然の突風とともに、強引に引き千切られての没してゆく。
“……………来たか。”
ただの獣の邪霊にしては、人への害の為しようが妙に手慣れちゃあいなかろか。行方の知れない人々は、知らべりゃ とある受領の係累ばかり。祈祷に立った神職というのも、まま、ここいらの人間だったら関係があっても不思議はないが、やはり同じ血統の一門に関わる存在だったようで。むごたらしい怪我だの傷だの負うた死骸が出るでなし、ただその姿が見えんようになるだけならば、もしかしたならこんな騒ぎにもなっちゃあおるまい。誰にも気づかれぬまま忘れ去られていたはずだ。
「そうまでデカくなっちゃあ、
あんまりいい隠れ簑じゃあなくなったようだの。」
一際強い風が来て、背丈のあった茅が倒れんばかりに大きく揺れた。その陰からずくりと姿を現したのは、噂の大猪であったようだが、
「呑み込んだ魂のいづれかと、取って代わって誰ぞの前へ。
元の姿と掛け離れた存在として現れてやろうって魂胆だったか?」
すっかりと陽も没した空間だが、四肢踏ん張った獣の周囲には、怪しい青白い火の玉が浮いており。それが照らし出す毛の塊の、もこりと盛り上がった背の肉づきや、口許から剥き出した大きな牙は、忌々しいほどよく見える。
「格好の魂がなかなか現れなんだものだから。
その身がどんどん膨れてしもうて、とうとう人目につくほどとなった。
なあおい、知ってるか?
その“とりかえばやの咒”はの、
早よう入れ替わらねぇと、
そもそもの主の魂までも、今のその身へ定着しちまうぞ。」
肉薄な口許の片やだけを引き上げて、くくっと短く嘲笑すれば、
《 それには及ばぬ。》
初めての応じが地からか空からか返って来。置物みたいに動かないでいた大猪が、ふるるとその鼻面を震わせて。
《 別段、お前様をと待っておったではないが。
封印成敗の祈祷にと、神祗官つながりの誰かが来れば重畳。》
「ほほお?」
何だなんだ、あのじいさま、こんなややこしい奴輩に恨みを買っておったのか?と。自分の直接の上司にあたる神祗官、武者小路の惣領を思い浮かべてしまっておれば、
《 国事の折には高座に居ようあの奴輩に、何の無理もなく近う寄れるからの。》
「………ははあ。」
なんだ、そういうことだったかと。ことの顛末への合点がいったと同時、大きに呆れもした蛭魔であり。
「気の長い御仁だの。」
《 何だと?》
わざとに癇に障るような言い方をしたのへ、素直に反応下さったので、
「今の言いようだと、
神祗官になりすまし、まずは出席出来よう国事の席にて、
間近から何らかの意趣返しを企てようとかいうのだろうが。」
相手がそうは寄れぬ高位の公家らしいから…ということなんだろが、
「そうまでの身と化せるだけの呪咒をこなせておるのに、
何でまた直接の策の実行へは、慎重になっておるのだえ?」
つか、もしやして、目論みが果たせた暁には元の姿へ戻れると思うておらぬか? そうと問うと、
《 ……っ。》
気配にギクリという軋み。ああやはりなと、改めてのため息をつき、
「もしかしたなら、お前は恨んだ相手の眷属にやはり丸め込まれたのかも知れぬ。」
あまりに執拗に恨みを連ねる奴だと鬱陶しがられての末、いい策があるぞと味方ぶった者を近づかせ、適当な復讐の手段を吹き込まれたに違いない。普通なら、失敗する可能性が断然高い犯罪行為や、危険極まりない場所での祈祷など、放っておいても勝手に滅ぶだろ手段を吹き込むところだが、
“姿を消したままな神職というのが、
そもそもの口寄せ係ならば、
あるいは中途半端な呪詛を教えたのやもしれぬ。”
妄執は時に途轍もない力を溜め込むもの。その身に傷をつけてのただただ念じろなぞという、半端な祈祷と歪みとが別な何かと作用して、飢えからさまよっていた猪に魂を定着させたのかも知れぬ。
《 ぐ……。》
こちらの言い分が通じたか、喉奥にての ぐるるという唸りを立てていた大猪に、ますますの燐火がまとわりついて。周辺の枯れ草が燃え立たないのが不思議なほどに、それは煌々とした輝きを発し始めて。
《 なれば…なればお主の魂を食らおう。》
低さを増した声が、それでもあがいてか時々歪みつつ紡いだのが、そんな一言。
《 我の居場所を嗅ぎ出せたほどだ。
随分と咒力の強い祈祷師なのだろから、ならば、儂の力も増幅されよう。》
恨みを晴らすどころか、ますますと瞞かられたのだと知ったからだろ。厚みを増した怨嗟による力を繰り出せば、あるいはそれも可能かも知れぬが、
「見初められたは光栄だがの、そればっかりは願い下げだな。」
そろそろと昇って来た月の、真珠色の光が宿ったかのよな金の髪を風に遊ばせ、
「俺がこうして誰に頼まれもせぬのに出て来たのだって、
もっとややこしい存在にまでお前が育ってからじゃあ、
退治も調伏も複雑な手間が要っての面倒だからだ。」
斟酌なしに言い放ち、白い手へ構えたは数枚の咒弊。桧扇のようにはらりと開き、指を弾けばピンと立つ。それをばかざすと唱えるは、封印滅殺の行の咒で、
「今にし此処へ、来たりたまえ、下りたまえよ、雷霆の鉾。」
吽っと鋭い一喝繰り出せば、邪霊の猪は総身を縛られ、うんうん唸っても動けなくなり。そこへとかざした第一の咒弊が記された咒を光らせての、その周囲へ灯っていた燐火の勢いを封じにかかる。だが、
《 負けはせぬぞっ。》
ええいっと野太い声だし、辺りに走ったは勢いのある旋風。轟っという突風に、術師の指先から弊が1枚、攫われてしまい、
「ち…っ。」
それ自体が何かしらの陣でもあったのか。途端に就縛の封が緩んだらしい獣霊、前足で地を掻くと、そのまま疾風の如く、術師めがけて翔って来たから。
“しまったっ。”
蛭魔が自身への防御という咒を張らなんだは、相手を舐めたからじゃない。獣に宿った相手では、感覚の総て、少しでも鋭敏にしておかなければ対応出来ぬと思うたからで。だがだが、今はそれが裏目に出ての、一大事。牙で突く気か、それとも…先程の宣言通り、齧って食ろうて取り込もうという腹か。風にひるがえる狩衣の袖が視野を遮って、ますますのこと不利となった蛭魔のその身へ、野太い牙が触れかかったその刹那に、
「…ったくよ。何で俺を呼ばねぇかな、おめぇはよ。」
彼らの狭間に割り込んだ、随分と大柄な存在があり。いきなりの出現に衝突したか、突進して来た猪は、来た方向へ弾き飛ばされてのもんどり打っており。蛭魔の側は側で、
「わ。」
「おっと。」
やはり向背へと突き飛ばされかけた身を、雄々しい腕が引きとめの支えてくれて。何とか持ち直したその痩躯、支えている腕の主を見据えると、開口一番、
「遅いっ!」
「…言うか、それ。」
無茶苦茶さには結構馴れたと思っていたが、この展開でそう来るかと。口元ひん曲げ、吊り上がり気味な三白眼を、ますますのこと顰めたのも一瞬。漆黒の狩衣の裾をひるがえし、撫でつけた黒髪も多少はほつれさせてのご登場、黒の侍従こと、蜥蜴の総帥。蛭魔の式神、葉柱があらためて見据えたのは猪の獣霊で。
「今更何を取り込んだとて、お前はもう人へは戻れぬ。」
《 それがどうしたっ》
宵闇の中からいきなり現れた存在、お前様こそ人には非ずだろうにと、ますますの破れかぶれか居丈高に怒鳴った猪へ、
「人ならぬ身としてならば、俺のほうが何百年も先達だ。」
《 う…。》
偉そうに上から物言ってんじゃねぇよと、目元眇めての言い放てば。そんな自身の懐ろから、にゅうと伸びて来た白い腕があり、
「じゃあ何か、俺もお前よか後輩と言いたいか。」
「いでででで。」
力任せに鼻をつまんでの憎々しげに言い放った蛭魔だったのへ、その困った腕を捕まえると、一応の説得、言い放った葉柱だったのは言うまでもなく。曰く、
「その前に、お前は人の和子だろうがよっ。」
「…………そかそか。」
困らせたかったか、あるいは…こっちも構えという自己主張だったのか。まま、それは後回しにするとして。(苦笑)
「ことが大きくならぬよにだろ、お前を調伏しに来た神職ってのから辿りゃあ、
恨みの相手も何とはなく判る。
確かにあんまり素行がよろしくはない権門だからの、
恨まれるようなことの十や二十は重ねてもおろうよ。」
別にお前や俺が何かせずとも、そろそろ命運も尽きる頃合い。何なら年末の大祓え辺りに、宮中まで見に来ればいい、と。蛭魔は事もなげに言い放ち、
《 それは、まことか?》
「おうよ。」
もう上も詰まっておっての、これ以上の台頭は無理だっつのに、何かしら企ててるようだがの。
「それこそ、あんな小悪党では太刀打ち出来んだろ、
生え抜きの悪ダヌキばかりが犇めいてる上層部だからな。」
利用するつもりで取り付いた相手から、さんざん財産吸い上げられた末に ぽいってのがまあ相場だのと。事もなげに言い放ってやれば、
《 …………そうか、そうなのか。》
妙に感慨深げな声を出し、そのままその場に立ち尽くしていた猪だったが、
「………さて帰るか。」
「え?」
のんきな声を出す蛭魔なのへ、葉柱があれあれと慌てたくらい。
「こいつは捨て置くのか?」
すぐ目の前にたたずむ猪を指差したものの、
「よく見な、もう何にもしやしないから。」
「何にもって…、あ?」
風に揺れる茅の陰が縞模様を描く猪の身は、いつの間にやらそんな形の岩に変わっており。命の気配なぞ一片もない身に変わっているではないか。
「安堵した拍子、気力が尽きたのさ。」
「な〜る…。」
呪われた身のまま、ああまでの自我を保てていたのは強い怨嗟の意志があったればのこと。そこに空いてたのだろ欠落を、相手も不幸に陥るぞよと囁くことで満たしてやったので、
「なんか不毛な解決だよな。」
「そもそもの発端からして不毛だったのだ、しょうがねぇさね。」
からから微笑う術師だったが、歩み始めた彼を追いながら、あっと思い出したような声を出した葉柱、
「それよか、お前っ! 俺にも何にも言ってかねぇってのは何なんだっ。」
屋敷に顔出しゃあ、セナ坊ンがてっきり俺も一緒だと思ってたって泡食ってだな…と、今宵のお勤めの次第へのいちゃもんを並べ始める蜥蜴の総帥だったのへ、
「……うるせー奴だの。」
言わずとも駆けつける奴に、何言われても聞かれねぇわな。何だその屁理屈はよ、間に合わなんだらどうした。そん時ゃあ、そん時だ、夜な夜な夢枕に立ってやるからありがたく思え。……しゃれにならんから、セナ坊には言うなよな、と。喧嘩半分、でもでも、あのね? 冷たい夜風にすくめた蛭魔の肩を、ひょいと懐ろへ掻い込む葉柱なのは何とも自然で。一つになった影を追い、月がしばらく眺めていたが、そんな姿のいつしか宙に溶け消えて。あとには虫の声が響くのみ……。
〜Fine〜 10.10.20.
*ちょいと久々のお務め話を一席。(こらこら)
直前までのは書きましたが、ここまで一部始終をというのは久々ですね。
いつも頭を抱えるのが、蛭魔さんに唱えさせる調伏の咒でして。
言わずもがなデタラメなんで信じないように。
こういう呪文というと、
特に私なんぞが頑張らずとも珠玉の名作も一杯あるので、
ともすりゃあ皆さんのほうが詳しいかもで。
それでもちょっと調べてみたらば、
『〜〜〜〜、急急如律令!(きゅうきゅう、にょりつりょっ)』
っていう決まり文句は、
道教の呪文なんですてね。(真言だと、そわか、かな?)
例えば、道教の雷法の呪文
我雷公旡雷母以威声 五行六甲的兵成 百邪斬断 万精駆逐 急急如律令、は
我は雷公の旡(き、気と同意)、雷母の威声を受け、
五行六甲の兵を成し、百邪を斬断し、万精を駆逐せん…となり、
最後の急急如律令は、
当時の法規である律令のように、これを速やかに執行しませいという、
公文書にも使ってたような言い回しだとか。
これはさすがに。ちょみっと意外でございました。
めーるふぉーむvv

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